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久しぶりに新しいガジェットでブログを書いている。

新しいポメラである。

初代のDM10を使ってUstreamの関連本を4冊書いたのは13年くらい前になるだろうか?

ポメラはいわばワープロである。テキストエディターしか使えないガジェットで編集も装飾もできない。プレーンテキストしか機能がないのである。もちろんブラウザーも使えないしSNSもできない。いわばガジェット版の「原稿執筆カフェ」とも言える。書くことしかできないから書くしかない、そういう状態になる。今ではレトロに見えるモノクロ液晶はひたすら行カーソルが点滅を繰り返し早く何か書けと促してくる。3分休憩していると画面は消えてスリープになる。が、キーをタッチすれば瞬時に画面が点く。そしてまたカーソルキーが点滅し執筆を促してくれる。

ポメラほど「原稿執筆カフェ」にぴったりなガジェットもないだろう。実際にオープンから4ヶ月でポメラを持ち込んで執筆する利用者は数人お見かけした。ポメラを使ってる人は執筆マシンとしてのポメラ以外にも資料をリサーチするためのスマホやタブレットを併用していた。ひとつのノートパソコンでやればコピペなどもできるがそもそも引用する必要のない文章であればこの使い分けがぴったりだ。

私も久しぶりにポメラを使ってこの文章を書いている。2桁型番のポメラは使っていたが3桁型番ははじめてだ。往年のThinkPadのように変形するキーボードギミックはなくなったがキーボード面は低くなりよりタイピングしやすくなっている。キータッチ音も小さくザラッととした質感のキートップも心地よい。666文字とステイタスバーに文字数が常時表示されるのもいい。1000文字も書かないうちにポメラのキーボードは私の指になじんでくれた。

この最新型のポメラ(DM250)はキングジムに提供いただいたが「原稿執筆カフェ」の無料レンタル品に追加する予定だ。発売日以降のレンタルにして欲しいとの意向があり8月までは一般公開はお預けで店長である私がテスト使用しているというわけだ。共用機としてどのように管理するかは説明書を読みながら考えをめぐらせた。共用機に人の文章が残っているのは気持ちが悪いので本体メモリーはつねにクリアーにしておき私的に利用する場合はSDHCカードに文章を保存する。抜けば本体には何も残らない。利用者にはスリープ状態で渡し画面を開ければ新規文章の画面が白紙で開くようにする。開いた瞬間にもう書くしかないという状態になる。とてもいいフローだ。設定ではオートバックアップをオンにしてあるのでファイルの保存という概念はない。Googleドキュメントのように自動で保存されているので消失する心配もない。書き終わったらどうやって利用者のデバイスに文章を転送するか?だがQRコードを使って転送するのがもっとも簡単だ。ポメラの画面の左右には大きな余白があるのでそこにキングジム純正のポメラアプリのダウンロードURLのQRコードを貼り付けておく。ポメラでの執筆が終わったらそのQRコードからポメラアプリをダウンロードする。ポメラのツールメニューからQRコードを選べば画面に文章が変換されたQRコードが表示される。アプリからこのQRコードを読み取るとテキストが転送される。おわったらポメラを返却。店側で本体メモリーをクリアしキーボードを消毒して次の利用を待つ。

ここまでで1300文字。時間にして15分。

ノートパソコンでの執筆に慣れている人にむけてポメラ独特のショートカットはシールにして画面横に貼っておくことにしよう。alt+矢印がページアップダウンや行頭・行末への移動になっている。その他ショートカットはたくさんあるので使用頻度を考えて整理していくことにしよう。

ポメラは面白いガジェットなのだが、本体が6万以上することもあり興味があっても躊躇する人は多い。安いChromebookなら3万程度で買えてしまうしテキストエディターに6万は。。と考えてしまうのも無理はない。それだけに実際に自分に合っているのかゆっくり試し打ちできる場所があったらいいと思っていたが「原稿執筆カフェ」はその最適な場所になる。なにしろ「原稿執筆」をするために人がやってくるのだから。執筆をするガジェットはいわば作家にとっての万年筆のようなもので、愛着のあるキーボードや鍛えた登録辞書がないと効率が落ちるということもある。しかしポメラで書く原稿というのは非常に独特の体験なので「原稿執筆カフェ」を利用する機会があれば1時間でもいいのでぜひ体験して欲しい。

24時間も持続するバッテリーと瞬時に復帰するスリープ機能を体験すると「原稿執筆カフェ」を持ち運べることをご理解いただけると思う。

ポメラDM250の無料レンタル開始は8月から!詳細は「原稿執筆カフェ」の公式ページで!

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