「ブレードランナー」はディレクターズカット版によってデッカードがユニコーンの夢を見るシーンが追加されたことで「デッカードがレプリカントであるかもしれない」ということが明確に示され当時話題となりました。後付でリドリー・スコットが「デッカードをレプリカントにしたかっただけなんじゃないか?」とかいろいろな論争がファンの間でも巻き起こりました。
しかし2007年に発売された5枚組のアルティメット・コレクターズ・エディション(現在はBlu-ray版)をつぶさに見ていくと「ブレードランナー」は撮影当時からデッカードがレプリカントであるということを前提に行われていたことがわかります。それを示す決定的なショットがこちらです。

最初の劇場公開版にあったデッカードとレイチェルが逃避行をしているシーンのアウトテイクです。

これは5枚組のDISK 4にあります。このDVDメニューは異様にわかりにくメニュー構造をしているのですが「構造」というメニューの中に「未公開シーン集」というのがあります。

ここでページめくりで「次へ」を押していくと最後に「もうひとつのエンディング その2」というのがあります。

デッカードセダンが山奥の道を走っているシーンから一連の編集をされた状態で保存されています。

劇場公開版よりデッカードセダンの構造がよくわかる明るいショットです。カーオーディオのパネルのようなものが見えます。

ここでいくつかのやりとりをして映像はエンディングに向かうのですがレイチェルがデッカードと前の奥さんと長かったのか?と聞いたあとにこう切り出します。
「きっと私たちは」

「一対でつくられたのよ」

その言葉にデッカードは驚いたような困惑したような表情を見せて映画はデッカードセダンの空撮ショットになりエンドタイトルの音楽がはじまります。

デッカードセダンの空撮も劇場公開版にはなく車内のシーンだけで構成されていたので動いてるシーンを見るのは貴重です。

もっともこの未公開シーンはその名の通り未公開であり最終的な作品に採用されたものではありません。
「デッカードがレプリカントかもしれない」ということを謎を残して示すというのがディレクターズカットの立ち位置ですから何種類かの脚本をもとにバリエーションとして撮影された未公開ショットで判断するのは間違っているかもしれません。
でも私が最初にこの未公開シーンを観た時は大きな衝撃を覚えました。
「デッカードがレプリカントであるかもしれない」ということを肯定するだけではなく「一対」であるという表現には強烈なインパクトがあります。
間もなく公開される「ブレードランナー2049」では予告編にはハリソンフォード演じる30年後のデッカードが登場しますがレイチェルとの逃避行のその後がどのように描かれるのか?気になります!
![ブレードランナー アルティメット・コレクターズ・エディション [Blu-ray]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/512Q0IPyW3L._SL160_.jpg)