沖縄「ハブスタ」のバーエリアは背景幕を使ったスタジオです。今回はそのチューニングのコツをお教えしましょう。

まず、なぜにグリーンバックではなくリアルな背景幕を使うか?ですが、マルチカメラの場合はグリーンバックの背景にしてもカメラごとに違う合成素材を用意する必要があり合成するスイッチャーのランクが変わってきます。知識があればWireCastなどのソフトウェアスイッチャーでショットごとに合成素材のトリミング位置を変えてアングルごとに背景ボケを変えるなども可能ですが難易度は上がります。

リアルな背景幕は平面的な写真ですがカメラのレンズセレクトやライティングを工夫することでマルチカメラで自然にボケますし合成のエッジがチラチラするなどもありません。またモニター越しに合成結果を見ながらチューニングするグリーンバックと違って背景幕をリアルに見たまんまなので現場で調整するのが楽しくなるのです。

だからヒマスタ型スタジオはグリーンバックよりリアル背景幕をオススメしているのです。

沖縄「ハブスタ」バーエリアの収録風景はこんな感じです!
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りあるちょんまげのマゲ平さんって誰よ!って話はここではさておき(すごい人ですよ!)この絵を作るためにどのようなチューニングをしているかについて解説していきましょう。
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背景幕は2面あり左が横幅2mで右が3.5mのものです。机が斜めに設置されていることが極めて重要です。これはホストとゲストのカメラがどのように人物を切り取るかによって決められています。人物と背景は離れていれば離れているほど背景ボケが作りやすくなります。ただ離していくと今度はカメラで背景幕のエッジが見切れていくことになります。このバランスをレンズの焦点距離(特にボケが作りやすい明るい単焦点のポートレイトレンズを使うとカメラと被写体の距離も厳密に決まってきます。ズームレンズのように自由にカメラを設置することは出来ません)と合わせて決定していくのです。
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テーブルの下には32インチのテレビを置いてあります。これはスタッフや顧客がこのスタジオに入ってはじめて目にする映像モニターとなります。なるべく大きなテレビを置いておくのがいいでしょう。テレビはPCモニターより発色が派手で映えます。リアルに映像を調整するためには業務用モニターが好ましいですが顧客に見せる映像は派手な映像チューニングをするテレビが適しています。
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ホストのカメラはGH4にライカズミルクスF1.4 25mm(35mm換算50mm)を使っています。このレンズはマイクロフォーサーズの初期に出た名レンズです。AFの駆動がめちゃくちゃ遅くて動画撮影では使い物にならないのですがこのようなスタジオの無人カメラはMFモードの置きピンにしますから問題ありません。人物から1.5mの距離でちょうどバストショットになります。ここではカラーのモードをCineLikeDにWBを4500kにしています。露出はF1.4開放でボケを作ります。
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カメラの下にはホストの返し用に5インチの液晶モニターを照明スタンドで設置します。ヒマスタ型のスタジオではホストが構成作家でありディレクターでありタイトラーであり配信管理、録画管理、すべてを担当します。ゲストは返しモニターを見る必要はありませんがホストには絶対必要になります。この5インチ液晶はHDMI入力だけではなくスルーアウトを出せるHDMI出力があるのでそのまま顧客用のテレビに信号を送ることで長いケーブルを使わずに済みました。小型モニターでもスルーアウト端子があるものはとても重宝します。
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照明は色温度と照度をダイヤルで自由に変えられるリングライトを2つ使っています。天井にライトレールがない場合このリングライトは大活躍します。足の立て方を間違わなければライトをこのように下方向に向けても倒れません。(安全のためサンドウェイトを使うことをおすすめします)

実際の飲食店のBARの照明というのはほぼ上からのスポットライトしかありませんから背景幕にはなるべく当てずに下方向だけを照らします。
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照明スタンドを上げるとリングライトのACアダプターの部分が床から持ち上がってしまうのでパーマセルでスタンドにくくりつけています。
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ゲストのカメラはスイッチャーなどのシステムラックの後ろ側にたてます。これはライカノクチクロンF1.2 42.5mm(35mm換算85mm)というマイクロフォーサーズ用のレンズの中でも最高峰の高級レンズです。このレンズ1本で中古のGH4ボディが3台買えます。
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これがホスト席です。カメラに映らない位置にシステムラックがあります。手前のパソコンテーブルにあるのがVR-1HDとV-1HDの制御アプリ用のパソコンです。ホストはこれらの機器の調整を本番前までに終わらせ配信時にはゲストとの会話に集中します。ひとりで準備中に自分がホスト位置に入りながら準備が出来るので便利です。
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システムに関してはこちらの記事に詳しく購入リンクと共にありますので参照してみてください。
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小道具としてはヒマスタ型スタジオでは標準的なONAIRランプ。その上に液晶のカレンダー時計があります。なぜカレンダー時計を置くかといえばライブ配信時にそれが本当にライブであることを証明できるからです。この液晶のカレンダー時計は黒の締りもよくカメラ写りもよいです。森下さんいいものを中国で見つけてきましたね。言語を変えられるので洒落込んでフランス語表示にしているのはここだけの秘密です。
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こうしたチューニングをほどこして完成するのがこの絵です。まるでテレビのようなクオリティがこんなに簡易な背景幕で出来ます。

数千万円かけたセットとスタジオに匹敵するような絵を知恵と工夫で作り出す!
それがヒマスタ型スタジオの竹槍精神です!

スタジオ構築のご用命は沖縄の人はプロ機材ドットコムの森下さんへ!
それ以外のエリアはヒマスタの川井までお気軽にどうぞ!

以上、沖縄は那覇にある「ハブスタ」のバーエリアからお送りしました!