mclean chanceです。



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いやー、素晴らしかったですよ、トン・ゼー!



60年代に、ブラジルで巻き起こったポピュラー音楽の一大ムーヴメントである「トロピカリズモ」の中でも、とりわけユニークにして孤高の人、トン・ゼー。本名、アントニオ ・ジョゼ・サンタナ・マルチンス。



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若き日のトン・ゼー。軍事政権という厳しい中でも音楽活動を続けました。



トン(Tom)というのは、ポルトガル語で「音」の事で、ゼー(Zé)は、ジョゼの愛称です。


カエターノ・ヴェローゾやジルベルト・ジルと言った、同世代のミュージシャンと並び称せられるほどの存在でありながらも、日本での知名度は今ひとつで、実は2019年まで来日した事がありませんでした。


1936年生まれなので、なんと、今年で83歳なのですが、恐ろしく元気でほとんど立って歌ってたのが驚きでした。


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近年のトン・ゼー。ベックは彼の影響を大きく受けています。




ギター、ベイス、キーボード、ドラムズにパーカッション(もしくはマンドリン、ギター)という、非常にシンプルな編成で、近年のトン・ゼーの音楽が生で演奏するのがかなり困難そうだったので、

どんななのかな?と思ってたので、結構拍子抜けしましたが、曲のアレンジもそんなに凝ったものではなかったです。


しかし、であるがゆえに、トン・ゼーという、稀代の詩人、パフォーマーの老人力が加味された、自由奔放な表現が際だっていました。


結構、スタッフはヒヤヒヤものだったでしょうが、観客には愉快で仕方がなかったです。


1970年代の大名盤『サンバ学習』からの曲を多く演奏してましたが、有り難かったのは、歌詞の和訳がスクリーンに映し出されていて、こんなシュールな歌詞を歌っていたのか。という事がよく分かりました。


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大名盤『サンバ学習』!



曲の合間にトン・ゼーは、現在のブラジルの政治状況を憂いている事を通訳を介して急に話し始めたり、ポケットから赤いパンティを取り出してはいたりと(はくのに難渋して、通訳の方に手伝ってもらってました・笑)、とにかく、観客を楽しませてくれる人でした。


1980年代は、音楽活動がかなり厳しくなってしまい、アルバムも1枚しか発表できなくなるほどの状況だったのだそうですが、そういう苦労を経て滲み出てくる何とも言えない飄々としたしなやかさと逞しさが伝わってきます。


東京での公演がたったの1日しかないのは、ホントに勿体ないほどの素晴らしいライヴでした。



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気さくにファンサービスに応じてくれました!是非ともみた来てください!!