フレデリック・ワイズマン『ニューヨーク公共図書館』

 

 

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図書館はニューヨーク市の予算と寄付によって成り立っています。


mclean chanceです。



3時間半近い大作ドキュメンタリーでしたが、全く飽きませんしでした。

 


内容はタイトル通りで、ニューヨーク市の公共図書館はどういうものなのかを淡々と見せるだけなのだが、それがとにかく素晴らしかった。

 


この図書館は、私たちのイメージする図書館では最早ないんですよ。

 


就職活動、作家やミュージシャンを招いてのイベント、就職に必要なスキルを身につけるための無料のセミナー、演奏会などなど、生活していくために必要な事の多くが揃っています。

 


司書のレベルが桁違いにすごく、恐らくは研究者ですね。

 


大学にポストがない事が多いですから、図書館司書として働きながら、研究を続ける事ができますし、そもそも、この図書館は研究するための施設として、ものすごく充実しています。

 

目の不自由な人たちのために、小説を朗読で聞けるソフトも貸し出しているのですが、その朗読を、ブロードウェイに出演しているような役者に読んでもらっているのは、驚きです。

 

イベントに呼ばれる人たちもパティ・スミスやエルヴィス・コステロなど、ものすごい人たちです。

 


また、運営陣の様子もしっかりと見せていて、コレがまたものすごく優秀な人たちなのに驚きます。

 


ワイズマン監督は、巨大な文化施設を隅から隅までトコトン見せる事に集中し、インタビューとかナレーション、サントラも字幕もつける事はありません。

 

図書館の人の役職も名前も説明しませんし、コステロも無名の人もおんなじ扱いです。徹底してますね。

 


途中でインターバルはあるものの、コレだけの長さがあるにもかかわらず、ダレるところが全くなく、最後まで興味深く見せてしまう編集の冴えには心底驚きました。

 


また、カメラに映る人々がほとんど映っている事を意識してない事に驚きますね。

 


ワイズマンは今年で89歳になる第ベテランですが、この余りにも自然に撮れている映像に、全くもって脱帽してしまいますね。



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数多くのドキュメンタリー作品を作り上げたフレデリック・ワイズマン監督。

 


この作品の原題は「Ex Libris」、直訳すると、from book、本から。という意味ですけども、本というものから人々の人生がどのように展開していくのかをワイズマン監督し見せたかったのでしょう。

 


そのために、徹底してこの素晴らしい図書館の実践を撮ったと。

 


コレは、逆に言えば、本を大切にしないという事は、人間を大切にしていないのと同じ事なのですよ。ということを言っているんですね。

 


私は、この図書館がある事がアメリカの真の強さなよだなあ。と思いました。

 

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