ウディ・アレン『ウディ・アレンの6つの危ない物語』

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「ジェームズ・ディーンの髪型に近づけてくれ」とムチャぶりをするシド。

あらかじめ断っておきますが、本作は映画ではなく、アマゾンプライムでしか見ることのできないドラマでして、一本が大体25分くらいで、タイトル通り6作からなります。


久しぶりにウディ・アレンが主演を務め、相変わらず、神経症ぎみの二流作家を演じております。


しかも、本作の面白いところは、なんと、ヴェトナム戦争真っ盛りの1960年代後半が舞台の映画なんですね。


ウディ・アレンは、1920-30年代、もしくは現代を舞台に映画を撮ることが多いので、コレはかなり驚きました。


2019年現在、83歳となってからこういう事をしだすとは、相変わらず若いとも言えますが、映画の調子は、相変わらずのウディ・アレン主演モノではあります。


話しのスジはといいますと、二流作家のシドと結婚カウンセラーのケイの老夫婦の住んでいる、ニューヨークの郊外に、ケイの姪であるレニーが早朝にやってくるんですね。


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平凡な生活を送っている、シドとケイ。


その姪は、なんと、学生運動の極左集団に所属していて、FBIに追われているんです。


シドは「早く警察に突きだせ!」と騒ぐのですが、ケイは可愛い姪なので、しばらく匿ってやることにします。



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実は夢遊病者でもあるレニー。


パゾリーニは、『テオレマ』で、金持ちの家にやってきた謎の美青年が一家を破壊していくという怪作を撮ってますけど、ウディ・アレンは、そういう事にはならず、ケイの主催する読書会で『毛沢東語録』を読んだり、ニューヨーク大学の大学院に通っていて、婚約者までいるアレンがマリファナでハイになりながらカストロの本を読んだら感動した。みたいな事が起きて、だんだんと平穏な家族が不穏になってくるんですね(笑)。


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ことごとく意見が食い違う二人。



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とうとう爆弾製造までしてしまうアラン。

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カフカを読んでいた穏健な読書会が毛沢東語録やマルクスの読書会に。


更にウディ・アレン作品では珍しい、アクションシーンも見ることができます。


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第6話にはそのてんやわんやがピークに達して大爆発するのでお楽しみに。


登場人物の少ない作品なのですが、最終話はべらぼうに増えるんです(笑)。


当時の学生運動を揶揄しつつも「小さい革命」は老後の健康にはいいのではないか?という、アレンらしいシニカルな視点が楽しい作品。


彼の作品には珍しく、モダンジャズがサントラに使われてまして、ジミー・ジュフリー3の「トプシー」がとても効果的に使われてますけども、私が気に入ったのは、ビル・エヴァンス・トリオ「ワルツ・フォー・デビィ」がチラッとだけ使われるシーンですね。


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