ゲストライターのmclean chanceです。


韓国の映画監督で、世界的にも評価が高い、ホン・サンスが恋人と言われる、キム・ミニを主演とした映画を続々と撮ったのですが、それが2018年に一挙に公開されるという痛快事がありまして、『アバンチュールはパリで』以降の彼の作品は日本公開したものはすべて見ている私としては、コレは全作見ざるを得ないと思いまして、昭和の味わいが残る、下高井戸シネマにて、見てまいりました!

ホン監督の作品は、モチーフがほとんど似たり寄ったりで、だいたい主人公が映画監督だったり、役者だったりで、その大半が不倫モノです。

作品のテンションもどれもほとんど変わらず、そういうところが、戦後の小津安二郎とかエリック・ロメールと似てます。

しかし、ホン監督は、そこに、シュールレアリズムを生涯にわたって追求した、ルイス・ブニュエルのような、アレレ?と思うような不思議な仕掛けが毎作ありまして、いい意味で毎度裏切られる事になります。

前後の時間軸が意図的に合ってなかったり、同じ話を2回繰り返してるのですが、其れが微妙に違ったり、登場する役者 
は同じなのに、配役が違う話しを3本だったりする不思議な構造を持っていて、ヤマ場みたいなものがアンマリなく、アッサリと終わってしまう映画ばかりなのに、なんともいえない余韻が残るんです。

さて、今回上映されたのは、『正しい日、間違った日』、『夜の海辺に一人』、『それから』、『クレアのカメラ』の3本で最初の作品が2015年公開で、残りは、すべて2017年に公開されております。

なんと、1年間に3作も公開してしまったんですね(笑)。

もともと、多作な作家ですが、キム・ミニの事がよほど気に入ったのか、超ハイペースです。

全作、またしても趣向を凝らした脚本で撮られていて、すべて面白かったのですが、私が一番よかったのは、『クレアのカメラ』です。


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この映画はものすごくて、主演のキム・ミニとイザベル・ユペールがカンヌ映画祭に招待されている、スケジュールの合間の数日で撮影してしまったという(笑)。
まだ公開中の映画であり、作品の性質上あまり内容には立ち入れませんが、カンヌで撮影しているので、いつもより、映像が少しばかりリッチですね。

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また、ユペールはすでに『三人のアンヌ』(これも大傑作!)でも出演してますが、ホン・サンスとは相性がいいみたいで、パリから遊びに来た高校の音楽の教師を演じてます。

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彼女が三角関係にある男女を動かしていく、重要な存在になっていきます。

テクストの反復と差異を効果的に使うホン監督の作品は、一度好きになってしまうと、全作品見たくなる事必定です。

是非、ご覧ください。