Amazonプライムビデオに有料ながら吹替版と英語版がある「レディ・プレーヤー1」をコータと見た。実は劇場公開時に見過ごしてしまったので1周遅れなのだが楽しく見られた。

英語版も見たが映像情報量が圧倒的に多いので吹替版で見たほうが楽しめるタイプの映画だ。

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「レディ・プレーヤー1」の中でかなりの時間を使って引用されているのがスタンリー・キューブリックの「シャイニング」である。原作では「ブレードランナー」だったらしいが続編の製作時期もあり権利交渉が難航し映画では「シャイニング」に変更されたのだという。

「ブレードランナー」ファンには周知の事実だか「シャイニング」と「ブレードランナー」との間には深い関係性がある。

まず「ブレードランナー」の最初の劇場公開作はスニークプレビューで不評だったエンディングを明るいものに差し替えるため大自然の中の空撮が使われている。これは「シャイニング」のオープニングで使用されなかった捨てカットである。リドリー・スコットはキューブリックと親交が深かったのである。さらに「シャイニング」のバーテンダーを見て「ブレードランナー」のタイレル社長役に抜擢したというつながりもある。「シャイニング」は1980年、「ブレードランナー」は1982年の公開である。

コータと一緒に「レディ・プレーヤー1」を見てどうしても見返したくなった「シャイニング」もAmazonプライムにあったので翌日に一緒に見た。最近ホラー映画が好きなコータには「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」「イット〜それが見えたら終わり」などの免疫があるので大丈夫だろうと思ったからだ。
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しかし見始めるとたいていのホラー映画に慣れているはずのコータも恐怖に身がすくみ目を手で覆い「なに!なに!なんなの!こわっ!やめて!」と指の間から見ていた。

怖いけどどうなるか見たい!怖いけどやめたくない!ホラー映画の真髄がここにある。まさに「レディ・プレーヤー1」の「おれ、シャイニング見てないんだけど怖いの?」「おれ指の間から見てた!」というセリフと完全シンクロである。

今ではスマホのジンバルで誰もが再現できるようになった揺れない移動ショットも「シャイニング」の売りでステディカムはこの映画で一躍有名になった。

三輪車でホテルを走り回るときのカーペットと床の音の違い、あれだけで凄まじい緊張感を演出している。天才キューブリックの切れ味が存分に楽しめる「シャイニング」はある意味「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」より初心者に勧めやすいかもしれない。

「シャイニング」という映画は実は劇中でそれほど人が死ぬわけではないのだが「何かが起こりそう」という超不気味なテンションがずっと続くので見ている人は恐怖のどん底に落とされる。ジャック・ニコルソンの表情だけで凍りつくのである。

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こうして「シャイニング」で映画史上もっとも不気味な恐怖を堪能した翌日はまだレンタル期間中である「レディ・プレーヤー1」の「シャイニング」の引用シーンをコータと見返した。

あのタイプライターとめくれる紙、双子の姉妹、テニスボール、エレベーターから溢れ出る血、浴室の女、が深い理解と共に楽しめた。

「レディ・プレーヤー1」他にも引用がたくさんあるので子どもと一緒に見てどの映画史(カルチャー史)に連れて行くかを考えるのは楽しい!次は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に誘ってみたい。これなら怖い映画が嫌いなうちの嫁も一緒につきあってくれるに違いない。

レディ・プレーヤー1」を見て「シャイニング」を見ていない人はぜひこの機会にAmazonプライムで見ることをオススメする。



シャイニング (字幕版)
ジャック・ニコルソン
2013-11-26

シャイニング [Blu-ray]
ジャック・ニコルソン
ワーナー・ホーム・ビデオ
2010-04-21

レディ・プレイヤー1 ブルーレイ&DVDセット (2枚組) [Blu-ray]
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2018-08-22