チョン・ビョンギル『悪女』

 


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いきなりこんな映画です(笑)!



私はほとんどゲームはやらないんですが、『バイオハザード』という作品がありますよね?


本作の冒頭は、あの目線でずっとノーカット(実際は巧みにつないでいるかもしれませんが、見た目はずっと一つのキャメラで延々撮ってるように見えます)で次々と銃やナイフを使ったアクションが繰り広げられます。


しかも、敵の数が『男たちの挽歌』なんてモンじゃないんですね、コレが(笑)。


この、一切説明なしの問答無用の掴みっぷりは、なかなか豪快です!


この、「バイオハザード目線で延々とアクションする」というアイデアは、もうゲームの世界では当たり前ですから、そんなに斬新でもないし、多分、世界中の映画監督がやりたかったアイデアなのかもしれませんが、コレをここまで見事にやり切ったのは、恐らく本作が初めてなのでしょうね。

 

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この視点で延々とアクションが続くんです!



いや、オーストラリアの映画でスゲエのがあるよ!というのをご存知の方はご一報を。


仮に、コレに先んじてあったとして、本作のこの撮影のすごさにどれだけ迫れているのか。


冒頭10分が驚きの撮影。というのは、映画史的に言えば、まずはオーソン・ウェルズ『黒い罠』や、恐らく、これへのオマージュと思われるロバート・オルトマン『ザ・プレイヤー』でしょうけども、それに勝るとも劣らない偉業を本作は成し遂げましたね。

 

ちなみに、この「バイオハザード目線」はゲーム的には第3ラウンドに当たるシーンで、プツンとその時点からキャメラと主人公の女性が離れて、普通のアクションになるのですが、一体どうやって離れたのか、技術的に全然わからないですね。

 

しかも、ワンキャメラで撮るのは、全く変わらないんです。


そして、そのまんまキャメラは窓ガラスを破ってビルの三階から飛び降りたりまでします(笑)。

 


とにかく、どういう風に撮影してるのかが全くわからず、ひたすら驚天動地の撮影をコレでもかと見せるんですね。

 


数年前にアカデミー作品賞と撮影賞を受賞した『バードマン』の撮影もたまげましたが、本作の冒頭の撮影は、それを遥かに凌いでいます。

 


韓国映画の技術水準は、もはやハリウッドとほとんど遜色ない事を証明しておりますね。

 


一切説明なしで話が進むので、彼女が何の目的でこの組織をたった1人で壊滅させ、その直後に逮捕され、脱走しようとして失敗。までが一体どういう事なのかわからないのです。

 

しかも、一貫して、ワンキャメラが恐ろしくスムーズに主人公を追い回したり、追い抜いたりして撮影していて、とてつもない。

 

主人公の身のこなしは、終始、並大抵ではない点も重要です。

 

スタントなしで、唖然とするようなアクションの連続をこなしています。

 

顔を無理矢理整形され(ですので、1人二役になります)、政府に死んだ事にされ、職業訓練を施され、別人として生きる事となった(しかも、妊娠してました。女の子です)、スクヒ(淑姫)。

 

整形手術後をよーく見ると、パク・チャヌク『渇き』に主演していたキム・オクビンではないですか!


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ちょっと二階堂ふみに似ている、キム・オクビン。

 

政府機関の殺し屋に完全に変貌したスクヒ(チェ・ヨンスという別人のIDを与えられています)ですが、その活躍ぶりは実際にご覧になって下さい。


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写真では伝わりませんけど、信じられないようなバイクアクションが繰り広げられます!

 

次第に明らかにされていく、スクヒの過去。

 

イヤイヤ、これ以上は言えねえ言えねえでございます(笑)。

 


ここまで書いて、映画のお好きな方ならば、リュック・ベッソン『ニキータ』を思い出すかもしれませんが、もう、アクションの次元が全く違っていて、比較になりません。

 

才能はチョン・ビョンギルの方が圧倒的に上であるのは、見るとおわかりになるでしょう。

 

アクションが余りにもすごいので、ウッカリ見落としてしまいそうになりますが、ラブコメ的な日常を撮ってもうまいのに驚きます。


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この2人で出会いは本作の唯一の救いです。


それにしても、韓国映画界はホントに次から次へと新しい才能が出てきて恐ろしいですね。


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