ゲストライターのKNNポール神田 クアラルンプールからです!

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是枝裕和監督の作品の描く、『家族』は常に飯櫃(いびつ)な『家族』だ。しかし、そんなに非日常的ではなく、誰にでも起こりうる可能性のある『家族』を見せてくれる。

日本では、ずっとそんな印象だったが、クアラルンプールのゲストハウスに宿泊するヨーロッパの若い人たちは、是枝監督作品から別の視点を見出しているようで驚いた。

日本の『季節』に外国人は魅せられる

海街diary』『誰も知らない』『そして父になる』『万引き家族』らの映画に共通するのが、多種多様な家族関係ではなく、その家族の関係性の間に流れる日本の四季折々の季節感だったのだ。

どんな家族にも、貧富の差に関係なく、時に厳しく、時に優しく注がれるのが、日本の季節『四季』という特性だ。

今まだ外国人のほとんどは、美化された日本の『四季』しかしらない。是枝作品はそんな『四季』を等身大で描いている。


日本に住む僕たちにとって色や温度、湿度、日差しの季節の移ろいは当たり前の事のように過ぎ去っていく。しかし、外国の人にとっては、その季節の変りの早さに、時の流れとともに、季節のバラエティさに非常に関心を持つと言う。

是枝作品の中で、常に春夏秋冬の中にある家族の過ごし方が描かれる。そこでの暮らしぶりが人々に、一緒に過ごす刻の長さを与えている。


ヨーロッパの国々の中では寒い国は多いけれども日本のような、あのような蒸せる夏はない。一方アジアでは、ずっと夏だらけという1年中変わり映えのない景色が続いている。

そんな彼らからすると夏から秋になり冬となりそして春が訪れると言う人生の喜怒哀楽にも似た季節感は非常に斬新に写っていたようだった。

日本人の見る是枝作品と外国人の見る是枝作品の評価の違いは、日本人が当たり前に感じている移ろいゆく景色の素晴らしさを、われわれは改めてこれらの作品を見て思い返すこととなった。

ゲストライターのKNNポール神田が、マレーシアからお届けしました。

海街diary
綾瀬はるか
2015-12-16

 

 


映画を撮りながら考えたこと
是枝裕和
ミシマ社
2016-06-08