Nai PalmNeedle Paw


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80年代のアングラ音楽みたいなスゴいジャケットですが、ちゃんとソニーから出てます。




ハイエイタス・カヨーテという、オーストラリアのバンドのヴォーカル/ギターを担当するネイ・パームが昨年ソロ作を出しましたが、コレがたまげるような作品でした。


自身のヴォーカルとギターを基本として、あとは女性コーラスしか参加メンバーがいません。


要するに、ゴスペル時代のステイプル・シンガーズの編成(あちらはメンバーのお父さんのポップスがギターとヴォーカルでしたけど)なのですね。


というか、それがゴスペルの基本的な編成なのですけども、こんなシンプルな編成で、しかも、ハイエイタス・カヨーテという、ものすごい凝りまくった曲を作るバンドの人ですから、曲はどれもこれも一筋縄ではいかないんですも、ハッキリ言ってたまげてしまいました。


私は、クレジットとかそういうのは、あんまり見ながら音楽聴くタチではないので、最初に聴いたときは、エラく独特なハーモニーの曲が続くアルバムだなあ。と思って聴いてたんです。


後になってクレジットを見て、そういや、ギターしか楽器がない(正確には、始めと終わりにアフリカのミュージシャンの歌とパーカッションが入るんですが)事に気がつきました(笑)。


要するに、このシンプルな編成で音楽が過不足なく演奏されていている事に気がつくんですね。


彼女は奇をてらったりとかで、こんなゴスペルの編成にしているんではなくて、ちゃんと彼女の表現したい事の結果がこの編成だという事なんです。


基本は自作曲なのですが、ジミ・ヘンドリクス「Electric Ladyland」やデイヴィッド・ボウイの遺作から「Black Star」とレディオヘッド「Pyramid Song」、自作曲のマッシュアップなど、その選曲もとてもユニークであり、一見伝統回帰のように見せかけながら、実際はものすごくごく前衛的な作りなのが面白いです。


しかも、やってるのはオーストラリア人であります(笑)。


こういう不思議さを「インターネットの時代」とくくるのは余りにも安直で何も答えた事にはなりませんけども、このユニークさは、一体どこに由来するのかよくわからないところがこれまた痛快です。


圧倒的な歌唱力と展開の読めない楽曲を歌いこなす技量が、単なるひけらかしではなく、表現に昇華されているのが、なんと言っても驚異的です。


ハイエイタス・カヨーテ『Choose Your Weapon』と共に聴きたい作品です。



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なかなかぶっ飛んだファッション・センスのネイ・パームさん。『マッドマックス』の次回作に出てきても違和感ないです。