この記事は東京都の「多摩・島しょ魅力発信事業」の取材として執筆しています。
この記事は、reviews(レビューズ)より依頼した企画です。



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小笠原諸島!ここは東京から1000キロ離れた絶海の孤島!でも品川ナンバーのクルマが走っている東京都の村です。遠いけど東京!東京なのに南国!沖縄や奄美に近い亜熱帯性の気候を持っています!

そして驚くことに小笠原諸島は「世界自然遺産」に登録されています!東京都内に「世界自然遺産」があるってスゴい!


このシリーズ記事では小笠原旅行でどんな時間を過ごしてどんな体験が出来るのか?を時間を追いながらレポートしていきます。今回は母島をネイチャートレッキングします!


3日目(母島)/5泊6日


AM7:00 ペンションでモーニング

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母島の滞在は今日の午後2時まで!ガイド付きで小富士をトレッキングです。それにはまず腹ごなし!ペンションの山小屋のようなレストランに行くと朝食が用意されています。サラダとベーコンエッグを食べて準備万端!コーヒーを飲みながらガイドさんの到着を待ちます。 P1880660


AM8:00 ペンションをクルマで出発


やってきたガイドさんは「ウリハハジマ」の柴崎さんです。昨日、母島について港からペンションまで送迎してくれた人と同じ!宿の人かと思っていたらガイドさんだったんですね。聞くところによるとガイドさんはペンションなどの送迎の部分も手伝うことが多いそうです。小さい島ならでは助けあいですね。


クルマに荷物を積み込みいざ出発!島の南端に向かって30分ほど走らせます。柴崎さんは小笠原出身ではなく前職はテレビのバラエティ番組のディレクターをやっていたそうで取材先として来た小笠原の魅力が忘れられなくて移住したそうです。すごい転換ポイント!どうりでしゃべりのテンポが早いなぁ!と思っていたらテレビ出身と聞いて納得!仕事的にも少し自分に近いバックボーンのあるガイドさんで親近感が湧きます。


AM9:00 南崎到着!トレッキング開始!

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母島の南端である南崎に到着!入り口には「都道最南端」と標識が立っています!服装は11月ですが半袖半ズボンでちょうどいいくらい。(トレッキングは本当は半ズボンより長ズボンをオススメします。草とかで足を切る可能性があるので。)

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ゲートを抜けてしばらく歩くと消毒ブースがあります。これ小笠原でとても重要なポイント!まずタワシのような足マットで靴の裏をゴシゴシします。外来種の植物の種などを落とすためです。さらに靴の裏を備え付けの消毒液で消毒します。

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トレッキング開始ですが「あそこ!あそこ!」という声でカメラを連写して捉えたのがこれ!大きさはよく東京にいる鳩よりひとまわり大きいんですがこれ小笠原にしかいない固有種の「アカガシラカラスバト」です。

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頭の部分が赤みがかったぶどう色をしています。固有亜種の天然記念物で絶滅危惧種に指定されています。

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母島列島にしか生息しない特別天然記念物にハハジマメグロがいます。その名の通り目の回りに三角形の柄があるのが特徴です。目視ではよく見かけたものの森の中の木々は日陰であることも多く連写しまくったのに写真には上手く残っていません。くやしい。。。
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P1880740 ジャングルをしばらく歩くと蓮池に着きます。そこで見たカタマイマイは実は小笠原諸島が世界遺産になるときに重要な働きをしたというのです。

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カタマイマイは小笠原の環境で進化が分岐しており樹上性の種の殻は背が高く小型で葉に似た色となり、地上性のものは土の色に合わせた殻の色をしているそうです。こうした環境に合わせて進化する途中にある!というのがカタマイマイのポジション。世界遺産登録に貢献したと聞くと感慨深いものがあります。 P1880751

AM10:00 すり鉢

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トレッキング開始から1時間で目標の小富士までの約半分の距離にあたるすり鉢に到着です。昔はこのあたりにも集落があり人が住んでいたことがあるそうでこのすり鉢でも子どもたちがオガサワラビロウの葉をおしりに敷いて遊んでいたそうです。

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時々さっきから歩いていて気になったのが木にくくりつけられた黒い箱。なんだろう?と思って聞いてみると猫用の監視カメラとのこと。
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人間が持ち込んで野生化してしまった猫が増えてしまいカツオドリのひなを食べてしまったりするそうです。近年は地道な取り組みで捕獲が行われ殺処分もなく本土に戻し里親を見つけるなどの活動が実を結びつつあるとのこと。絶海の孤島であった小笠原にいろいろなものを持ってきてしまうのも人間ならばその過ちに気づき本来あるべき姿に戻そうと頑張るのも人間。自然との共生はむつかしいものです。

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AM11:00 小富士

トレッキング開始から2時間で小富士に到着!最後はハシゴを登りますが断崖絶壁にかかっているわけではないので安全です。

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頂上からは連なる母系の島が一望出来ます!
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母島はその名の通り母系の島なので妹島や姪島などがあります。頂上から目の前に広がる南崎海岸を見てみるとフェンスのようなものが見えます。
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これは猫よけだそうです。先端の部分は海鳥の繁殖地なので猫が入らないようにしているそうです。

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「あ!あっち!ブロウあがってる!」との声でガイドさんが指差す海の方向を見るとたしかに海面にクジラの潮吹きが見えます!このクジラの息継ぎの時に出すしぶきを「ブロウ」と言います。400mmズームしてやっと見えるくらいなんですがはっきり見えました!

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クジラは父島に戻ってから見るものだと思っていただけにうれしい誤算!海面に上がる背びれを見ることが出来ました。
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クジラを見るにはちょっと早い時期の11月ながら幸先の良いスタートです。

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小富士は86mしかない山ですが登頂記念にエンボス加工された杭が設置してあります。そこに画用紙を重ねてクーピーペンシルでゴシゴシやると絵が浮かび上がるというもの。
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スタンプとかじゃなくてめっちゃアナログ!でもメンテもいらないからいいアイデアかもしれません。あんまり綺麗に転写されないのはご愛嬌ですが港に戻って観光案内所でもらえる「小富士登頂記念証」と共に旅のいい思い出になりました。
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PM12:00 トレッキング終了

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小富士から早足で降りてきた道を戻り南崎の駐車場に戻ったのがちょうど12時です。ガイドさん付きのトレッキングが約3時間。ジャングルながら穏やかな道なのでほどよい運動でした。そこからクルマで港に戻ります。
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そういえば母島の道はアスファルトじゃないのはなんでだろう?と思ったら材料の関係で全部コンクリートなんだそうです。建物にも使えるし道にも使えば無駄にならないかららしい。確かにすべての資材は「おがさわら丸」で本土から持ってくるわけで道路のためだけにアスファルトを持ってくるのも効率悪いというのは納得ですね。

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島の電力を作っている「東京電力母島発電所」も通りかかったのでパチリ。


PM12:30 戦跡ツアー

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予定のガイド付きのアクテビティはこれで終了なんですがクルマで戦跡も興味あるんですよね〜なんて話しをしていたら「まだ船まで時間あるから少し寄りましょうか?」と連れて行ってもらえることに!

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この母島の少し先には太平洋戦争で日米合わせて28721人もの死者を出す激戦地となり映画にもなった硫黄島があります。母島と父島は1944年に全島民(当時6886人)の本土疎開が行われたため上陸作戦などによる大規模な戦闘はありませんでしたが空襲などはあったというのが歴史的な背景です。そのため海沿いには軍施設の戦跡が今でも残っており母島にも海軍施設跡があります。

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建物の土台が残っていたり、少し道から入っていくと高地防空砲台があります。
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かなり原型を残した高角砲がジャングルの中から忽然と姿を現します。
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弾薬庫や門柱なども残っています。
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こうした戦跡には専門のガイドさんもいるとのことでより詳しい話しを聞いてみたい人は戦跡専門のガイドさんを頼んでみるのもよいでしょう。

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PM1:00 港でランチ

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こうしてトレッキングのあとに戦跡まで連れて行ってくれたガイドさんにお礼を言って別れると「ははじま丸」の出港まで1時間ほど時間があるのでゆっくり弁当タイムです。出港の時間が近づいてくるとのんびりと乗客も集まってきました。だいたい来た時に乗ってた人は同じ便で父島に戻る人が多いから「あ、あの人見かけたな」みたいな顔見知り感が出てきます。離島の旅の面白さですね。


PM2:00 ははじま丸出港

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こうして20時間程度の母島滞在が終わりました。父島までは2時間の船旅です。天気がよかったので甲板でカツオドリの写真を狙うことにしました。
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カツオドリはパンダみたいなツートーンカラーの配色で翼を広げて滑空する姿がユーモラスです。
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かなり大きいので写真にも撮りやすい!鳥の祖先は恐竜というのも大きく翼を広げて飛んでいるカツオドリを見ているとなんとなく納得です。

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PM4:00 父島着

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母島から2時間の船旅で父島に戻ってきました。戻ってきたと言っても「おがさわら丸」でここにやってきた初日はすぐに母島に行きましたらゆっくりするのは初めてになります。

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クルマの送迎でまず明日のアクティビティであるドルフィンスイムのチケットをもらいに行きます。ドリーム号ツアーということで「ドルフィンスイム&ウォッチング」「ホエールウォッチング」「シュノーケリング」「南島上陸」がセットになった10800円のコース。なんか盛りだくさんでてんこ盛りなメニュー!明日は8時にここに集合と言われました。


PM4:30 ペンション「AQUA」チェックイン

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父島で2泊お世話になるのがペンション「AQUA」です。小さな三角屋根が特徴のかわいらしい感じのペンション。
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チェックインして部屋に入るとセンスのいい現代的な部屋でいい感じ!
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外が見える窓がない代わりに天井が高くトップから外光が挿し込むような構造になっています。ベッドの上には蛍光灯ではなくリネストラランプが使われています。
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温かみのある光でこのインテリアのセンスただものではないな!と思って調べてみたら「AQUA」の設計は石川淳建築設計事務所だそうです。超一流どころ!!


PM6:00 ペンションで夕ごはん

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夕ごはんは6時からと7時からを選べたので早めの6時コースに。初めての父島だしホテルのごはんは控えめにしてあとは外に呑み屋探検に行こう!という魂胆です。吹き抜けの気持ちいい食堂に案内され座って目の前に有る献立を見てびっくり!
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なななな!!!これコース料理じゃないか!外に飲みに行きたいのに。。。お腹いっぱいになってしまうじゃないか、困ったぞ?と思っていたら最初の前菜が出てきました。

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なんと美しい!!


右上「長芋サーモン島橙白ポン酢」真ん中上「島寿司」下「はるたまのお浸し」「黒豆」「アスパラの生ハム巻き」です。どれも美味く焼酎ロックが進みます!

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焼き物は「鶏もも肉のソテー サルサ・ポモドーロソースかけ」食器もひとつひとつこだわりがあり見て楽しく食べてうれしい!

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ごはんはおひつに入った炊きたてなのですがこれがまた見事な炊き具合なんです。糖質制限しているのにどんどん食べてしまう!最初に考えていたペンションでのごはんはサッと食べてあとは外でなんて考えはもうありません。ここのご飯美味しいからガッツリいただきます!

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揚げ物は「ホタテ貝の和風春巻き 牛蒡チップ 獅子唐」はとろけんばかりのチーズがもっちりカリカリで実に美味い!

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デザートは杏仁豆腐でした。いやー、スゴい!

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そもそもこれ「おがさわら丸」で6日に1度運ばれていくる食料品で作っているわけですよね?内地みたいに築地行って毎朝仕入れました!みたいなこと出来ない離島なわけじゃないですか?その環境下でこのクオリティってのがもうびっくりで感動しました!


PM8:00 小笠原アイランドジャズフェスティバル

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お腹いっぱいで部屋に戻りしばらく食休みしていると外からいい感じのジャズの音色が聞こえてきます。どうやら近くの公園で生演奏しているみたいです。
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カメラを持って見に行ってみると大神山公園が「小笠原アイランドジャズフェスティバル」の会場として大賑わいしてるじゃありませんか!
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このジャズフェスはフリーライブなのでチケットを購入する必要もなく誰もが気軽に参加出来ます。公園には模擬店も並び自由でハッピーなムードでした。

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父島の夜の街を偵察にブラブラしてみることにしました。
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海沿いの大きなメインストリートとその裏の通りにだいたい飲食店は集中しています。
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ちょうど公園でのジャズフェスティバルに模擬店を出しているお店も多いので準備中の看板が目立ちました。


PM9:00 グリーンペペ

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オーガニックな店構えと何やら密度の高そうな感じに惹かれて入ったのが「グリーンペペ」というレストランです。
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すでにたくさんの人で賑わっていましたがカウンターに座ると卓球ラケットのメニューが出てきました。ユニークすぎる! P1890729
ウィスキーのロックを飲みながらカウンターにあった「ORB」というフリーペーパーを読んでいたら「それ好き?バックナンバーあるよ!」と過去の号も教えてくれました。
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このフリーペーパーは「グリーンペペ」のマスターが40年ぐらい前に作っていた「スコール」みたいなローカルペーパーみたいなものを作りたい!と若者がはじめたものらしく「はじめに」にその熱い想いが綴られています。

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その40年前の「スコール」も気になるよなぁ〜とページをめくるとあるじゃないですか!当時の「スコール」の画面が!こりゃスゴい!

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手書きのイラストと文字も生々しくローカルペーパーらしい切り口も素晴らしい!1944年に全島民が疎開してから終戦後23年で返還されるまで歴史が断絶した小笠原諸島。
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そこから現在の島の基礎を作り上げた「グリーンペペ」のマスターの世代とその世代をリスペクトしながら新しく島にやってきた若者たち。そういう島の物語のバックボーンがこの「ORB」というフリーペーパーを読んでいるだけで伝わってきます。


PM10:00 ペンションに戻り就寝

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こうして母島での3時間のトレッキングと2時間の船旅にペンションでの美味しいフルコース料理、自由なムードのジャズフェスティバルと老舗ローカルレストランでの濃厚な時間と盛りだくさんの3日目が終了。心地よい疲れもあり眠気はすぐにやってきました。


明日はいよいよ小笠原諸島の醍醐味と言えるイルカとクジラに会える日です!果たしてスキューバダイビングも一度もやったことがないインドア派の筆者が外洋でちゃんとイルカと一緒に泳げるのでしょうか?

記事を読んで小笠原に興味が出た人はこちらのサイトもどうぞ!


4日目に続く

(小笠原5泊6日レポート:1日目2日目3日目4日目5日目
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