Django ReinhardtDjango swings Nuages Django Reinhardt (1934-1941)




ジャンゴ・ラインハルト。

実は、ひどい火傷で左手の指が3本しか使えないのに、驚異的なギターを弾く人です!



20世紀のヨーロッパの最高のジャズギタリストという言い方は決して大げさではない、ジャンゴ・ラインハルトの、タイトル通りのアンソロジー。


1993年にジャンゴの死後40年を記念して、ジャンゴ・ラインハルト財団が作ったものなので、選曲が大変よいです。


この頃のジャンゴには、膨大な録音があるのですが、そこから3枚組のCD 73曲も入っており、詳しいデータがつき、ジャズ評論家の野口久光の解説がついているのですが残念ながら廃盤です。


再発の可能性はあまりないと思いますので、中古店なとで探してください(かなり安いです)。


ジャンゴほどの巨人を知るには、これくらい曲数は最低必要でしょう。


しかも、コレ、聴いてて飽きがこないんですよね。


そういう事もよく考えて選曲しているんです。


さて。


ジャンゴのギターというのは、ある意味で全部同じといえば同じでして、それは、もう彼のスタイルが録音された頃にはもう完成されていた事を意味しておりまして、それは、終生の相棒であった、ステファン・グラッペリのヴァイオリンにも言える事なんですけども、要するに芸人の世界なので、アーティスティックに変化していくものではありせん。


そういうの意味では「コレしかできない」という世界ではあるんですけども、しかし、その「世界」が大昔の録音であることを超えて聴き手に生々しく迫ってくることがまさに驚異的なんですよね。


ヨーロッパで初めてオリジナリティを確立したジャズメンであるジャンゴ・ラインハルトですけども、今聴いても驚くほどのギターで、しかも抜群のスイング感があるんですね。


アメリカのジャズのノリとかと明らかに違うので、最初は違和感あるかもしれませんが、彼らの独自のグルーヴ感がわかってくると、ジャンゴの並外れた音の力強さ、そして、独特の哀感が漂うソロは、もう見事という他ありません。


個人的な好みを言うと、CD1の「フランス・オット・クラブ・クインテット」の演奏がいいですね。


なんと言っても、ジャンゴとグラッペリの絡み、そしてそれを支える、オット・クラブのメンバーの一丸となったリズムがとにかく堪能できますね。


コールマン・ホーキンスとの共演なども悪くはないですが、バッハの演奏やオリジナル曲の「ボレロ」、「雲」の斬新さや、超絶技巧のソロギターが面白いです。


仕事をすっぽかしたり、平気で遅刻をしたり、キャラバン生活に突然戻ったりという天然をせず、もう少し音楽真面目に取り組んでいたら、もっとすごい録音が残ったのではないか。と思うのですが、当人は芸人意識なので、極める気がさらないのでしょう(笑)。


そこがジャンゴの素晴らしさでもあるので、なんとも言えませんが。


それにしても、アメリカのジャズのモノマネではなく、ほとんど「ジャンゴ音楽」と言ってよいものを作り上げてしまった大天才は、ハードバップに人気が偏りすぎているきらいのある日本では、どうも等閑視されている気がするので、食わず嫌いせず、ドンドン聴いてもらいたいたいですね。









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