*[Jazz Critique] Jim HallConcierto


Personnel;

Paul Desmond(as), Chet Baker(tp), Jim Hall (g), 

Roland Hanna(p), Ron Carter(b),

Steve Gadd(drms)


Recorded at Rudy van Gelder Studio, Elglewood Cliffs, New Jersey in April 16 & 23, 1975


 クリード・テイラーが創設したレーベル、CTI はとかく硬派なジャズファンからは敬遠されがちであり、このアルバムの邦題『アランフェス協奏曲』が、どうもイロモノ感を助長している気がしてならない。


しかも、それをジム・ホールがやっているので、ますますコレを助長するのだが、コレは掛け値なしに彼の代表作な1つと言ってよいアルバムである。


ただし片面だけですが。


まずは一曲目のコール・ポーター作の大スタンダードを聴いていただけるとわかりますが、コレ、音こそCTIらしいソフトでスムームな音像ですが(ルディ・ヴァン・ゲルダーが録音しているのも、のけぞってしまう事実ですが。ブルーノートのゴリゴリしたサウンドは、プロデューサーのアルフレッド・ライオンの好みが反映しているんですね)、名手たちがいつもの調子でジャズを演奏しているだけなんですね。


スタジオ・ミュージシャンの売れっ子である、スティーヴ・ガットのドラムが1970年代らしい、手数の多い、はねたドラミングではありますけども、ジム・ホールをはじめ、全員がモノホンのジャズメンが一切手抜きなく演奏しているだけなんですよ、このアルバム。


一時期、引退状態に追い込まれていたチェット・ベイカーすら参加していますが、全盛期には到底及ばないまでも、歯を治療して次第に吹き方を取り戻しつつある事を感じさせる演奏です。


最後のマイルスの『Sketch of Spain』と同じ、「アランフェス協奏曲」の第2 楽章はガットのドラムの奏法が変わり、ドン・セベスキーがアレンジした完全にタルいフュージョンになっていますが(演奏も時代がかっていて、今聴くと古臭いですね)、それ以外の3曲はゴリゴリのジャズであり、一切手抜きはございません。


当人たちはギャラがよければ別に何でもやります。という事で演奏しているだけだと思いますが(笑)。


最後もゴリゴリで通してしまえば、コレ、普通に名盤だった気がしますね。


CTIには、フレディ・ハバート『レッド・クレイ』やアート・ファーマー『ビッグ・ブルース』のような路線もあったのだから、全部ジャズでよかったのではないかという気がします。


CDでは最後のタイトル協奏曲だけカットし、LPでは A面を聴けば、大変な名演ですから、軟派なタイトルに臆せずに聴いてみてください。


ジャケットと内容が実はあんまり合ってない事があんまり指摘されないので、コレは言っといた方がいいですよね。