ジャン=リュック・ゴダール『アルファヴィル』

 


 
この後に発表される初期ゴダール最終作と言ってよい大傑作『気狂いピエロ』(ずっと私、「きぐるい」と読みまつがっていました・笑)の前に発表された作品ということもあり、あんまり言及されない作品ですが、これまたゴダールの重要な作品。
 
ゴダールが撮った、ななんと、SFスパイサスペンスもので、ゴダールのアメリカ映画への屈折した愛が比較的ストレートに表現されていて、かなりわかりやすい作品です。
 
ゴダールって、苦手。なんだかわからなくて。という方にもコレはオススメで、なんと言いましょうか、鈴木清順の60年代のちょっと変わったアクションものがありましたが、アレに近いものだと思ってくれれば。
 
 
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フィルム・ノワールとフリッツ・ラングへのオマージュというのが、『ブレードランナー』と同じです。


相変わらず、音楽の使い方はヒドイですが(笑)、『軽蔑』ほどじゃなく、ところどころ、しっかりハマってます。
 
何かがゴダールの中で正常に動いているようです。
 
ストーリーもとてもしっかりとしていて(?)、主人公のレミー・コーションはスパイとして、α60というコンピュータに完全に管理されたディストピアである都市国家のアルファヴァルを調査してます。
 
あれっ、この作品って、『ブレードランナー』にかなり影響与えてません?と思われるシーンも結構あります。
 
この、ほぼパリのロケーションだけでSFを撮っているというやり方は、タルコフスキーなんかも影響受けてる気がしますね。
 
そういう意味で、リドリー・スコット『ブラックレイン』は、『ブレードランナー』のプロットを使ったリメイクでもあるのですが、結果として大阪ロケ撮影しているため、より『アルファヴィル』に近く見えます。
 
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 こういう場所、よく見つけますねえ。

 
激越なカットや音楽のブツ切りといったゴダールお得意の荒技や、脚本あるのか?という無軌道かつ眠くなるような展開がほとんどなく(とはいえ、思いっきりカメラ目線のショットとか、明らかに人を食ってますが)、普通に面白いので(だからこそ、ゴダールファンには物足りないのでしょうか?)、是非ともご覧ください。
 
しかも、この頃のゴダールには珍しく、ハッピーエンドです。
 
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トリュフォーも『華氏451』を取っているので、この頃のゴダールとトリュフォーはライバルだったんですね。