ヒマナイヌ川井です!特に映画史に残るわけでもないプログラムピクチャーとしてのB級やくざ映画が今や手軽にタブレットなどで見られるって最高です!

この現代やくざはシリーズものでこれが2作目だそうです。このあたりの流れは「日のあたらない邦画劇場」で解説されていますので参照して見てください。

行き当たりばったりのストーリー展開に唖然とする本作ですが見どころはいくつかあります。ひとつは田村正和!なんとチンピラ役で映画のメインです!あの喋り方はかなりもう発揮されています。

もうひとつは1969年の東京ロケ!特にスラム街として描かれている湾岸沿いエリアは今見ると目が離せません!



富士フィルムマークのついたタイトル!まだ高感度フィルムが弱い頃なので夜景が真っ黒です。



主演は菅原文太と池部良ですが鍵を握るのは田村正和、そして中丸忠雄です。



田村正和は登場していきなりヒットマンの運転手をしているのですが「俺はもう足を洗うぜ!」とたいした理由もないのに組織を飛び出します。



これは新宿駅のアルタ前あたりから撮った新宿通りの実景です。丸井が見えます。右手には高野も見えます。そのまま右にカメラを振るのでむかしサクラヤのビルも見えます。



ミノルタの看板が見えてルミネエストが見えます。ここはあまり今も変わっていないところですね。



そのままズームすると菅原文太が登場です!



強烈なアオリアングルからタバコをポイ捨てして登場です!この時代はタバコをポイ捨てするのがかっこよかったという時代です!(そういうの、あるよね)



新聞買っていきます。



新宿紀伊国屋のあたりの歩道でしょうか?いい感じの望遠ショットです。



こちら菅原文太の兄貴役の池部良が住んでいる高級マンションという設定。



丸目2灯のクルマがいい感じです。



池部良演じる兄貴役。この映画では池部良、菅原文太、田村正和が3人兄弟という設定なのですが顔もあまりに違うし全然説得力がありません。



しかしドスの利いた声でしゃべる菅原文太の存在感でなんとか映画はドライブしていきます。



ちょうど開通したばかりの丸ノ内線が通り過ぎます。四谷のグランドですね。ここは今もあまり変わっていない感じがします。



中丸忠雄は大人のおもちゃ屋を中央線が通るところでやってます。これは大久保から東中野の間くらいでしょうか?



そしてこの映画の見どころはこの湾岸のスラム!オープンセットにしては大規模すぎ。おそらく本当に当時あるスラム街でロケしたのではないでしょうか?



川ぞいに建つバラックはものすごいリアリティで匂いまでただよってきそうです。



この街は映画の中でいろいろなアングルで出てきます。いろいろな場所をコラージュしているので場所の特定は難しそうです。



組織から逃亡生活を送る若き田村正和!



割れたガラスごしのショットも印象的です。



そこに助け舟を出しに来る菅原文太!



しかしそこには追っ手が迫っています!



舗装されていない道をやってくる追っ手のクルマ!セドリックかグロリアでしょうか?



丸目2灯です。



やくざが目を離した隙にスラム街の住人にタイヤを盗まれます。すごい描写!



と、ここで後ろに見えるのが大きな高層ビル!おそらく日本初の高層ビルである霞が関ビルじゃないでしょうか?



その後、左には東京タワーも見えてきます。とすればこの場所は芝浦あたりでしょうか?



やくざが戻るとタイヤが全部なくなっています。ちょっとユーモラスなシーンです。



追われる身の田村正和も「俺にも考えがあるんだ!」とあるものを盗もうとします。



それが談合の証拠の見積書とカセットテープです。わかりやすい小道具!



建設会社の社長が乗っているのは外車です。こちらも丸目2灯。



菅原文太は凄まじい拷問を受けますが筋肉の見せ場でもあります。



すったもんだあって湾岸のスラム街にやってくる追っ手に田村正和と中丸忠雄が追われます。



セダンから降りてくる黒スーツの男たち!



東京湾の船が見えるところで追っかけっこがはじまります!



ところどころ東京タワーが見えます。ナショナルの看板も見えますね。



追われて撃たれる中丸忠雄!



メイクがすごい。。



そして田村正和もあえなく撃たれます。



海の向こうに行きたかったのに東京湾を見ながら死んでしまいます。



しかも背中から二発もとどめをさされてしまうむごい死に様。



そのまま東京湾に投げ込まれます。さすがにここは別カットできれいな水でした。



湾岸のクレーンが遠くに見えるスラム街にパトカーや救急車がやってきます。



戻ってきた菅原文太は運び込まれる二人の遺体に再会します。



湾岸の夕陽をバックに歩く菅原文太。



水曜ロードショーのように美しい夕陽!



夕陽にむかって弟と仲間の復讐を誓います。



そして敵の陣地に短刀で乗り込みバッサバッサと人を斬り殺して生還します。



なんで生還できたのか細かい描写はないまま血まみれのドスに「終」タイトル!



かなりテキトーな展開ですがチンピラの田村正和と1969年の東京湾岸沿いの描写が見どころです!



この「現代やくざ」シリーズは6本もあるとのことでその他の作品もロケ地目当てで見てみようと思います。Amazonプライムにあるのでお暇だったらどうぞ!

以上、Amazonプライムビデオからお送りしました!