mclean chanceの「love cry」出張版




Berlin Jazz Contemporary Jazz Orchestra

Berlin Jazz Contemporary Jazz Orchestra』(ECM )


personnel;

Benny Bailey, Thomas Heberer Henry Lowther( tp),

Kenny Wheeler(tp, flh ),

Henning Berg, Hernann Breuer, Hubert Katzenbeier (tb),

Utz Zimmermann(btb),

Paul van Kemenade, Felix Wahnchaffe( as),

Gerd Dudek(ss, ts , cl, fl),

Walter Gauchel(ts),

E. L. Petrowsky(bs),

Willem Breuker(bs, bcl ),

Aki Takase or Misha Mengelberg(p),

Günter Lenz(b), Ed Thigpen (drms),

Alexander von Schlippenbach(conductor)


Recorded at Studio 10, RIAS Berlin in May 1989


ヨーロッパフリージャズのスターたちに混じって、ベニー・ベイリーやエド・シグペンが参加しているのに驚きますよね。


国籍もイギリス、カナダ、ドイツ、オランダ、アメリカ、日本と参加メンバーの国籍も多様ですが、アレグザンダー・フォン・シュリッペンバッハの指揮とオランダ勢の2人がとりわけ個性的で、LP B面日本あたる2,3曲目に参加しているミシャ・メンゲルベルグが本作の演奏の価値を高めていると思います。



若き日のミシャ・メンゲルベルグ。往年の名指揮者であったウィレム・メンゲルベルグとは親戚らしいです。


惜しくも2017年に亡くなってしまったミシャですが、彼は相棒のハン・ベニンクとともに、長年、ICP Orchestra という、ユニークなビックバンドを率いていたので、このような大編成での演奏はお手のものなのですが、バンド全体が彼のピアノ演奏によって生き生きとしてくるのが、聴いていて実によくわかるのがやはりすごいですね。


やはりジャズというのは、人なんですねえ。


どんなに難しいテクスチャを駆使したりしても、出てくる音一発に説得力があるかどうかです。


全体的な音楽の構成は、シュリッペンバッハがやっているので、ミシャはピアニストととして弾きまくる事に徹する事ができるので、ある意味、いつもよりも気楽にやれるのがよかったのか、とても素晴らしい演奏を繰り広げてくれます。


これがバンド全体を刺激して、全体の演奏のクオリティが上がっているのですから、いうことなしです。


ミシャのあの独特な垂直に叩きつけるようなピアノに(デューク・エリントンとハービー・ニコルズの影響がものすごくありますね)、変な音を繰り出させたら天下一品のウィレム・ブロイカーのバスクラリネットが絡むと、俄然演奏が楽しいですよね。


よって、本作で一番いいのは、「Salz」(ミシャ・メンゲルベルグ作曲)です。


ICP オーケストラは、ライヴで見ると無類に面白いのですが、アルバムで聴くと、その知的な戦略ばかりが耳に残ってしまい、ライヴでのあの豪快なユーモアが余り伝わってこない嫌いがあるのですが、本作はミシャのピアニストととしての実力が記録された見事なアルバムですね。


シュリッペンバッハの作り上げるドイツ人らしい濃密で緻密なアンサンブルもまた素晴らしいです。


全員が多忙なためか、このECMではたった一作しか作られなかったのですが、間が空いてもよかったので、もう何作かは作ってもよかったかもしれませんね。


本作はなぜか長年廃盤になっているんですけども、これほど優れた作品を再発しないのはなぜなんでしょうか。



この頃くらいまでのECMのジャケはホントに素晴らしい。




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