中島貞夫『実録外伝 大阪電撃作戦』



オープニンクレジットの写真を見てくださいよ(笑)!


ワルい顔ばっかりです!



いい写真です(笑)。


深作欣二は、『仁義の墓場』というある意味行き着くところまで行き着いた実録ヤクザ映画を撮ってしまいました。


しかし、実録モノは、中島貞夫も撮っているんです!


しかも、渡哲也の弟、渡瀬恒彦が主役です!


冒頭のボクシングの観客のガラの悪さ(まあ、ヤクザが興行うってるんですが・笑)!


しかも、途中から松方弘樹と渡瀬恒彦が突然乱闘になって試合無効。



この好対照な2人のコンビがいいですね。


いいですよね、見事に客を掴んで離さない展開です。


中島貞夫は、深作と違って、もっとヌメッとした画面作りで独特の暗さがあります。


簡単にお話の構図を申しますと、梅宮、渡瀬が所属する南原組に、成田三樹夫の大東組の勢力がキャバレーを出店するという、いわば、縄張り荒らしから始まる、大阪市を舞台とする、高度経済成長期におけるヤクザの抗争を描いた作品ですね。


大東組には、神戸の川田組(若頭は小林旭で、組長は丹波哲郎です)がついており、いわば、神戸のヤクザが大阪への勢力拡大を狙ったものです。


基本的に、大阪のヤクザは、神戸の川田組を恐れており(要するに山口組ですので)、できるだけ抗争を起こさないようにしているんですが、やはり、若いモンたちは、ガマンができない。


それが渡瀬や松方なわけですが、こっから先は言えねえ言えねえでござんす(笑)。



川田組組長を怒らせてしまった事がすべての始まりでした。。


実際に行われた、山口組による「人間狩り」を描いているです。


コレのパロディがビーバップハイスクールの「ボンタン狩り」ですが。


先日、惜しくも亡くなった渡瀬恒彦ですが、最近はスッカリ十津川警部役のイメージが強いですが、渡瀬が演じる武闘派ヤクザは、渡とは違ったコワさがありますね。




彼の持ち味は『仁義なき闘い』四部作では、今ひとつ発揮されていませんでしたが、ココでは、見事にキレるとアブナいヤクザを見事に演じてますね。


渡瀬が敵対する組の若頭であるこれまた先日亡くなってしまった松方弘樹(双竜会の若頭です)とのボクシングのシーンはいいですよねえ。


たしかに、菅原文太は圧倒的な存在感ですが、私は渡瀬恒彦に、とてもリアリティを感じました。


渡哲也を好き放題暴れさせるのが好きな深作欣二と、どこか鬱屈したリアリティを持つ渡瀬恒彦をうまく使った中島貞夫のそれぞれの資質の違いが出ているので、『仁義の墓場』と本作は、見比べてみるとよいかもしれませんね。


とにかく、黒いエネルギーに満ち溢れた見事な作品でした。