こんにちは。

ボストンの中川です。



毎年、アカデミー賞授賞式前には、様々なイベントがあるそうです。
私は、LAから、はるか離れたボストンにいるので、 なかなか情報は上がってきません。 


なので、噂程度にしか伝わってこないのですが、
舞台美術関係者が集まるイベントが アカデミーの前後にあるらしいよ、
と昨年知りました。

行けるわけないよな、、、関係者オンリーのイベントだろうし、、
来年、行きたいなと、ぼんやり思っていたのですが、
今年、イベントのある週になんな~く、見てみたら、
一般公開されている無料イベントだってことが判明! 


今年は、何と言っても、La la landのこと、
そして、メッセージ(Arrival)の文字デザインの開発の経緯とかも聴きたかったので
よし、今年行っちゃおうってことで、行ってきました。 


貯めていた、マイレージを使って 飛んじゃおうってことで! 


Art Directors Guild と、 Set Decorators Society of America が主催する、
“The Art of Production Design” というイベントです。 

このイベント、 ノミネートされている全作品の
舞台美術監督(Production Designer)と、舞台美術助監督(Set Decorator)が集う
パネルディスカッションなのです。 


何度も言いますが、なんと無料!!!

事前登録が必要だったので 普通に登録。 


この時点で、 毎年、このイベントを見に行っている舞台美術の先生に

今年、見に行こうかなと思うんだけど、、、と話したら、
とにかく、すぐ、今すぐに、
うちの大学のLA校の先生に連絡すること!とのお達しが、、、、。 


あとでわかったのですが、
LA校の学生を連れてグループで見に行くことになっているから
そこに入って、見に行ったらいいということだったのですが、
これも、頼んでみないとわからない流動的な話。

なので、こちらも流動的な態度をとりつつ
流れに乗れたら乗ります的な感じでおりました。 


すると、、、 結局は、LA校の人たちと、 優先入場枠で入り、
いい席に座ることができました。 


これもあとで分かりましたが この時に入らなかったら、
入れていたかわからない感じっていうくらい
優先入場枠の人たちだけで、会場はいっぱい。 


このなんともLA流な感じは独特だなと。
人を知っているっことが大事なんだなと。
この無言のルールを知り 流れに乗らないと、ダメだなと痛感しました。



一般公開されているイベントでありながら

本当に参加しようと思ったら 
案外大変なことがわかりました。 


どんな方が来ているのかというと、、、
実際のデザイナーさんというよりは
教育関係者や、学生が、多かったんじゃないかなとは思いますが、
プロの舞台美術関係者ですという方が、 時々、混ざっている感じ。
 

肝心なイベントはというと、

イベントの最初には、
今回のイベントの為に特別に編集された
舞台美術にスポットを当てた、それぞれの映画の映像が流れます。 


苦労して編集したんだろうなというのが伝わってきて、 面白かった。

どこにも公開されない映像で、2度と見れないかと思うと残念ですが。


そして、1作品づつ、モデレーターの方が質問をして、
最後に、会場からの質問を受け付ける形式。 


肝心なパネルディスカッションでは、、、 


La la landの冒頭の圧巻シーン。
Youtubeとかでも、話題になっていますけど
高速道路で実際に撮影する前に 念入りに、
リハーサルをして臨んだとのこと 

グリーンバックでとる選択肢もあったけど 実写にこだわったそうで、
ロケーションの候補は、3つあったけど
バックにロスの街が映る、 あの高速道路を監督が気に入ったので、
あのロケーションを使うことになったなど
色々をお話しをされていました。 


メッセージ(Arrival)の文字デザインに関しては、
やはり、かなり精査を重ねたようでした。 


メッセージ(Arrival)は、 日本では、まだ公開されていないようですが、
映画の中で 謎の生命体が示す文字のようなものを分析するくだりがあります。
その文字がとても美しく、かなり複雑にデザインされていました。

なので、すっごく興味があったのです! 

メッセージ(Arrival)は、 ポスターにも出ているあの縦長の物体をデザインする
経緯も話してくださいました。 


それぞれの作品の制作内容はもちろんのこと
美術監督の方々の経歴、作品に関わることになった経緯など、
あまり一般には公開されていないことを聞けました!



ちなみに、同じようなイベントの
編集者版とかもあるみたいで 

こちらも大盛況だったようです。 


ボストンの中川がお届けしました。



(ボストンの大学院に留学中。3年のプログラムの2年目。
舞台美術、メディアアートを学んでます。)

The Art of Production Design
イベントのポスター


The Art of Production Design, 2017
会場の様子。
関係者が多く、あまり写真をとっている人がいなかったため、
気が小さい私は、美術監督さんたちが出演されている時に写真撮れなかった。
何やってんだ?私。。。


Egyptian Theater, LA

会場は、1922年に初めに開館した歴史的映画館のEgyptian Theater
アカデミー授賞式会場からは、歩いてすぐのところ。
1時間半は並んだかな、、。
みんな穏やかに、挨拶したり、話したり。
のんびりしているのが、LAっぽい。
フレンドリーな人がやっぱり多かった。