Bennie Wallace『Twilight Time』 (Blue Note)

bennie

ティービー・レイ・ウ゛ォーン、Dr.ジョン、ジョン・スコフィールドなんかが参加していて、ブルースっぽかったり、ニューオリンズしてたりと、とにかく楽しいアルバムだ。

サイドメンが強烈なので、肝心のベニーテナーが埋没していまいそうだが、やはり、最後の決め手は、彼のテナーだ。

ベニーテナーは、なんというか、どこへ行っちゃうのかわからない様な案配で、やたらと豪快で何にも考えていないような凄味がある。

案外、いそうでいない人だ。

この脳天気テナーに、ジョンスコの屈折したようなギターがうまくコントラストをなしていて、素晴らしい。

であるからして、このアルバムの真の主人公は、全体を監督しているドクターであると思った。

何にも考えてなさそうな(演奏聴く限りには、そうとしか思えないなあ)ウォレスに、これだけの多彩なメンバーを適材適所に配置出来たとは、思えないんですね。

ベニーのアルバムの中でも、本作が飛び抜けて完成度が高いのも、ドクターあってのことでありましょうしね。

みなで、燃えまくって、燃えつきるように演奏していればよかったような「幸せな時代」はとうに終わって、ジャズも、知的な戦略をもって活動していかなくちゃいけなくなったことを如実に物語っていながら、そういう知的なハカリゴトではなく、音楽的快楽で聴く側をもてなすのが実に心憎い作品。

監督のドクターも、役者のみなさんも、よい仕事しています。

ドクターには、またジャズアルバムのプロデューサーやってほしいのだけど、なぜかそういう話が全くない。

ここが、ジャズを停滞させている原因ですね。残念。