増村保造は好きな監督なので「赤い天使」「陸軍中野学校」などを紹介してきましたが、これは大映映画が倒産する年に撮られた作品。ハードなモノクロの写真モンタージュではじまる青春映画です。

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主演は関根恵子。16才の役ですが濡れ場も大胆に披露しています。

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松坂慶子は場末のゴーゴーバーのシーンにチラリと出てきます。不良っぽい感じで短いながら印象的な演技でした。蟹江敬三はチンピラの親分。今のテレビでは絶対に放送できないひどいシーンの連続を演じています。

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増村保造という監督はのちの大映ドラマの基礎をつくった人なのですが、1950年代の映画と1970年代の映画ではちょっと演出のテイストが違います。感情をおおげさにしていく感じの1970年代の増村保造作品は個人的にはあまり乗れないのですが、この作品はいいバランスでした。

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この作品はセット撮影が多くロケは少なめなので映像考古学的な見どころは多くありません。前半に赤電話が出てくる背景にはSEIBUが見えています。渋谷の公園通りあたりでしょうか?

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ひなびたつれこみ旅館のあるエリアは渋谷のようにも見えるし違う感じにも見えます。このサイトがこの映画に関する感想コメントがいちばん集まっているのですが、立川や多摩地域でのロケではないか?という情報もありました。

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電柱や遠くの看板から場所を特定しようとするもわかりません。

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この感じは渋谷と代官山の間あたりかな?とも思いましたが特定する要素が足りません。

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ここから先はネタバレを含みます。もしここまで読んでこの映画を見たい!と思った人は先を読まないでください。








(続けて、いいですか?)








チンピラの親分の蟹江敬三です。若い!ふんどし姿も披露します。

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町工場で働く貧しい処女とチンピラの童貞が連れ込み宿にはいるシーンです。休憩800円、宿泊1500円から当時の物価が想像できます。

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あまりに場末な旅館だったのでタクシーで違うホテルに行くふたり。映画のポスターが貼ってあります。銀映、パレス座、ニューテアトル花町劇場、どれも架空のものと思われます。

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ホテルの寝室の鏡に映る自分たちを見るシーン。このあたりから映画はドライブがかかります。90分のうちの80分は二人がいかに底辺な境遇なのか?をこれでもか!と見せられてきただけに救いが見えてくるわけです。

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そして驚愕のラストシーン!これは凄かったです。絵的にも展開としても。

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沈みそうな舟につかまって泳げない2人が川を渡っていきます!倒産寸前の大映映画をそのまま象徴してるかのようなクライマックス!
 
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現実のシーンなのか、2人の夢なのか、解釈を観客にゆだねる見事なエンディングでした。さすが増村保造!

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以上、Amazonプライムからお送りしました!

(文字)
 
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