1957年(昭和32年)制作の大映映画「透明人間と蝿男」は4:3スタンダードサイズのモノクロ映画。「ウルトラQ」とか「ガス人間第一号」みたいなムードを持つB級スリラーです。

(1)スリラーなのにタイトルの蝿男はレタリングがちょっと可愛い!
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(2)飛行機で最初の死人が出るので羽田空港の空撮があります。止まってる飛行機がまだ後退翼じゃない感じがたまりません。駐車場もちっちゃい!
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(3)空港に向かう白バイと救急車。ボンネットがありますね! シボレー50年型かな?と思いきやグリルが違いますね。連合軍の払い下げタイプでしょうか?
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(4)羽田空港の周りは草むらみたいで牧歌的です。
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(5)空港に到着する救急車。おしりがふっくらした可愛いデザインの車です。
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(6)空港の周りは広々としています。
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(7)丸い建物は当時の旅客ターミナルでしょうか?プリングルスのパッケージみたいな顔立ちの車。 (追記:初代トヨタ・クラウン・前期モデル)
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(8)捜査で使われるダグラスDC4B型の見取り図。第二次大戦でも活躍した機種ですね。
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(9)研究所の先生に会いに行くシーン。クルマは国産ではなく外車でしょうか?
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(10)物質を透明化する研究をしている研究所はマットペインティングです。けっこう未来っぽい感じ。後のガメラシリーズなどにつながる大映SFテイストでしょうか?
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(11)この広々とした道路を白バイとパトカーと救急車が走っていくシーンはとても気になったのでTwitterにも画像だけ先に投稿!ソーシャル時空探偵のみなさんに場所特定の手がかりをいただきました。
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これは首都高建設前の「江戸橋」であることがわかりました。まず橋の造形に注目してください。 

こちらが江戸橋が完成した当時の絵葉書。 


そして東京時層地図で見るとこのあたりになります。ちょうどギリギリ首都高が建設されて上にかぶさる前の航空写真がありました。


それよりさらに時間をさかのぼるとこんな感じ。 


現在はこうなっています。この郵便局もこの画像の中にあると教えてくれました。

(12)皇居のお堀で蠅男に殺される女性のシーン。すごいところで死にますね。。
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(13)これも印象的な建物。現存するのか?どこなのか?特定できていません。
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(14)電車の高架下もよく出てきます。私鉄なのか?国電なのか?ヘッドライトの感じからすると私鉄のような気もします。
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(15)高架下。最初は大久保あたりかな?とも思いましたがわかりません。
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(16)高架下の全体がいちばんよくわかるカット。不思議な場所です。どこなのか気になる!ピンと来た人はtwitterのリプライで教えてください!追記で埋め込みます!
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(17)蠅男に襲われた男が高架の先で「うわぁ~~」と悲鳴を上げているところです。照明だけで怖い感じ!
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(18)透明人間がバナナを食べているところです。皮をむくのが見せやすいからでしょうね。
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(19)ほとんど電波少年みたいな絵ズラ。なかなか味わいがあります。
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(20)正しいクロマキー撮影のお手本です。
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(21)お色気カットもちゃんとあります。
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(22)蠅男が好きなダンサーがうたた寝してるところにやってきます。男の妄想はいつの時代も変わりませんね。
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(23)鉄塔が印象的なビルの屋上も出てきます。これは警視庁です。
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(24)切り返しのカットで見える後ろの建物は警視庁の角部分のファサードです。
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(25)この屋上の鉄塔は2本あったようです。
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(26)新聞の文字が小さい!時代を感じさせます。
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(27)蠅男が新聞で話題になり街中にポスターが貼られているシーンです。味わいがあります。
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(28)よく中学生の頃とかこういうポスターを美術の時間に描かされたような気がします。
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(29)蠅男は小さくなるのがミソ。マーベルで言えばアントマンですね。
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(30)蠅男がスカートの中を覗きに来てるようにしか見えないポスターです。
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(31)黒電話の存在感がすごいです。蠅男はこれだ!と言われましても。。。うしろにある映画ポスター気になります。
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(32)これはオープンセットのように見えます。木目が印象的なクルマは街宣車みたいな感じで登場します。 (追記:日本でライセンス生産された三菱ジープCJ3B-J11)
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(34)蠅男の黒幕が指名手配されました。東銀座に住んでいる静岡出身の明治45年生まれ!
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(35)テアトル銀座横入るという看板があります。
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巴里の不夜城」という映画看板が見えます。これは1957年7月公開です。撮影時期は1957年の夏から秋ぐらいのようです。

(36)警察に蠅男から鉄塔のある警視庁の屋上に登って国電を見ろ!と脅迫電話が来ます。
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(37)屋上から見えるのはお堀です。右奥に見えるビルはGHQ本部になった第一生命ビルですね。
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当時の航空写真で見るとこの画面下のあたりAの字に見えるビルが警視庁です。


当時の地図で見るとこんな感じ。画面の手前に見えるレンガ造りのビルは法務省です。


(38)カットは日劇が見えるアングルに変わります。位置関係はおかしいですが有楽町らしいカットですね。ここはミニチュア撮影です。なんでかと言うと。。。
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(39)ドカーン!!!と電車が爆破されます。蠅男おそろしいテロリストです。。
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(40)空前の惨事!という新聞記事に死臭プンプンという文字が踊ります。これ終戦から12年の頃の映画なので死臭という言葉が持つリアリティというか、それが日常だった戦争がちょっと前だった感覚が理解できます。
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(41)指名手配男から取引に指定されたのは丸ノ内世界ビル屋上!架空のビル名だと思われます。
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(42) 1957年9月のカレンダー。XデイがパッキーンとX字型の照明で表現されてるのがたまりません!
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(43)ラジオでニュースが流れます。1957年というとテレビもまだ珍しかった時代ですからラジオが庶民の情報源だったんですね。EMPRESSというメーカー名?商品名?が見えます。
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(44)架空の世界ビルは日生ビルのとなりに設定されているようです。線路をはさんだところには日劇の文字も見えます。
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当時のこのあたりの地図はこんな感じです。小道具の地図はフィクションなのでだいぶデフォルメされてますね。


(45)パトカーもやってきました。ナンバープレートは映画用でしょうか?今と違って地名もハイフンも入っていないので新鮮です。 (追記:「8 た0095」のパトカー このナンバープレートは、昔の公式です。 8 = 特種車両 た = 東京都品川地区管内の官公庁車(た、ち、つ、~1962年2月14日)だそうです!)
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(46)クライマックスの世界ビルの屋上シーンはちょっとすごいです。なんと屋上にヘリポートがある!
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こんな大きなヘリポートのあるビル本当に実在したのでしょうか?美術でHのマークを作っているのか?タイルの感じからすると本物にも見えます。

(47)その屋上から見える実景はマットペインティングっぽい感じです。「ウルトラQ」にもこんなビル街に巨大な花が咲くシーンあったような気がします。
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(48)指名手配の男がヘリで降りてきます。なんという大胆不敵さ!しかも自分で操縦してやってきます。ここで大立ち回りがあり最後はお約束、屋上から落ちて絶命します。
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(49)エンディングはさわやかに皇居のほとりを歩いてるカットで終わります。
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(50)歩道から堀の方にカメラが移動していくと第一生命ビルが見えます。
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(51)皇居の石垣が見えてエンドマーク!
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映画としてはB級なんですが、1957年(昭和32年)の羽田空港、江戸川橋、皇居周辺、有楽町などが見られて資料的な価値はけっこう高いと思いました。

Amazonプライムビデオにあるのでプライム会員の人は無料で見られます!


以上、Amazonプライムビデオからお送りしました!

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