特に予備知識もなくふらりと観に行ったんですよ。なんとなくほのぼのしたヒューマンドラマかな?くらいの気分で。

始まって軽いアレンジの美しき青きドナウにのせて「とある小さな国の話」というタイトルが出てきてカストロっぽい風貌の独裁者が孫と一緒に窓際にいる。

じいじはこの街の電気を手品のようにすぐに消すことが出来るぞ。みたいなこと言って本当に電話1本で消したり消したりするわけです。

ははーん、リアリティはないから寓話っぽいブラックコメディなのかな?という気分で見始めちゃうんです。「グッバイ、レーニン!」とか頭に浮かんで。ところが、これが話が進むにつれかなり違う。

タイトルからイメージする独裁者のじいじも実はいい人!みたいなムードはいつまでたっても生まれない。

生まれないばかりか孫との交流みたいなこともひじょーに薄く、革命で独裁政権が転覆した中でのハードな逃避行劇が続いていく。

この独裁者のじいじと孫の会話も極めて少ない。だから観客は二人が見ているもの、その状況に集中していくことになります。セリフで気持ちを説明するような映画ばかりに慣れてるともの凄いガツンとやられる。

セリフで説明しないばかりか映像でも説明せずフレームの外で起きてることを想像させる。あるシーンでは映画館の観客全員が本当に息を飲むのを感るほど。自分も嗚咽に近い声が手でしまったくらいです。

見終わってしばらく残る。引きずる。考えさせられる映画です。ここ1年で観た映画でダントツ1位。衝撃を受けました。

「ライフ・イズ・ビューティフル」「シン・レッド・ライン」「炎628」「フランドル」「戦場のピアニスト」

このあたりの映画が好きな人にオススメします。

この映画の宣伝や感想によく出てくるキーワードがあるんですが、それを知ってしまうと初めて見る衝撃が半減してしまいます。だから映画を観たくなるけど中身に言及していない慎重に選んだ感想をいくつかtwitterからセレクトしておきます。










 
以上、新宿武蔵野館からお送りしました!

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