見てきました!!若尾文子映画祭で!あまりにも素晴らしくて何から書こうか迷っています!

もう100点です!こんなに集中して最後まで観られた映画久しぶり!本当に素晴らしいです!

すべての人に薦めたくなる古い邦画ってそんなにないんです。

僕が人に薦めたくなる基準は今の時代から見ても面白くて風俗的な発見があるか?ロケが多くて当時の都市の風景がたくさん写っているか?

その上で物語が面白くて監督や俳優のこと知らなくても没頭出来るか?なんです。

この映画はそのすべてにおいて完璧でした!

まず映像考古学的なロケーションのことから書きますね!

舞台は靖国神社の近辺で展開します。靖国神社の中でもロケをたくさんしていて菊の御紋章をなめるようなスゴいアングルのカットもあります。そこでかわされるセリフも1961年のリアルな戦争との距離感を感じさせてハッとさせられます。

それと渋谷パンテオンが出てきます。これ今は渋谷ヒカリエになったところにあった東急文化会館の映画館です。まだ当時は出来たばかりで一番新しくてキラキラしてたデートスポットだったんでしょうね!

印象的なロビーでロケしていて渋谷パンテオンよく行った人が見るとうおおお!と身を乗り出すと思います。パンテオンの出口で話すシーンでは背景に東急東横が映ります。これも半分いまなくなっていますよね。銀座線の駅の部分も見えます。

新橋も出てきます。これはセットが多いかな?フランキー堺が新橋の烏森にえる寿司屋って設定なんですね。酉の市のシーンとか実にいいです。

あと川沿いで印象的なシーンありました。日の出埠頭あたりかな?ちょっと特定出来ませんでしたが。

それでこれシネスコサイズの超横長の画面なんです。アナモフィックレンズを使うやつですね。もうカメラがパンすると左右の絵が中央に行く時にグッと歪むような感じ。この画面構成が素晴らしいんです。

監督はシネフィルなら説明不要な名監督なんですが、本当にすごい筋運びでした。

セリフの1つも不自然に感じさせない。1961年の映画ですよ!どこか古くさいとか不自然とか退屈するシーンありそうなものじゃないですか。もう2016年に見てもテンポよくトントントンと進む!

それで若尾文子が住んでいるアパートの隣がトルコ風呂なんです。

今でいうソープランドですね。これセットなんですが人物のボケた背景にチラッとネオンが映る。で、これがものすごいチラリズムで執拗に出てくるんです。パンテオンでデートした少年と大森の安い連れ込み宿に行くシーンもセットなんですが背景がスゴい!そこほとんど見えないのにそういう演出するんだ!ってもうシビれました。

ここまでがロケとか映像の話です。

次がストーリとか世相の話なんですが、この映画には1961年への完璧なタイムスリップ要素があります。

男性が見ても当時はこんな感じだったのかぁ!!という発見がたくさんあります。女性にとってもたくさんある映画です!本筋と関係ないディテールや当時の習慣風習みたいなものがふんだんに盛り込まれているんです。

それはもう考現学というか、僕がやっている映像考古学的にも最高に美味しいところで、こんなにたくさんの風俗が読み取れる映画も珍しい!それが完璧な筋運びの背景として描かれていて一度で二度美味しい映画なんです。

例えば料亭にエアコンが入っている。当時はエアコンがある店は高級店という描写ですね。このエアコンの吹き出し口が面白くて風向きを変えるのに今のようにルーバーの向きを動かすんじゃないんです。クルマとかのエアコンで風向きを変えるのをイメージしてください。レバーを左右にすると風向き変わりますよね?今のエアコンは。当時のエアコンは正方形の吹き出し口をぱかっと引き出して抜いて90度回転させてまたはめるんです!

烏森の寿司屋には扇風機が出てきます。それもスゴい和の扇風機があらゆる柱についている。それがいろんなそれぞれバラバラに首を振っている。それも登場人物の気分を表しているんですね。その他にも扇風機がとても効果的にいろんなシーンで出てきました。

寿司屋での注文とか弁当作ってもらうところも出てきます。実に面白いです。若尾文子は中トロばかり注文してますが。

タバコの吸うシーンも多いです。若尾文子も冒頭からプカプカ吸っているんですが客とドライブ行く時に(スクリーンプロセスのドライブね)もっと粋な吸い方をしろ!と治されるシーンがあります。

愛人とか妾とか2号さんという言葉もたくさん出てきます。若尾文子は男を手玉に取りながら世を渡っていく役なので様々な男たちと絡むんです。でも若尾文子という女優は何をやっても品がある!うっとりするほど美しい!

名だたる名監督が彼女を好んで使ったというのが本当にわかります。この1本を見ただけで若尾文子という伝説の昭和の女優さんがいかに凄かったか!もう本当にスッと理解できます。

この映画はちょうどこの3連休に19時の回に角川シネマ新宿で上映されています。

古い映画だからDVDでもネット配信でもいいんじゃないの?と思うでしょ?

いやいやいや!!このシネスコ画面は絶対に映画館で見て欲しいです!ものすごい情報量だから!!しかも今回初デジタル化でも上映です!超鮮明でした!

本当に劇場で見て欲しいと思います。

なぜか?見た人と呑みたいんだよ!オレは!!!猛烈に!!!

以上、角川シネマ新宿からお送りしました!



(2281文字)←スマホでここまで書かせる映画なんだよ!




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