終戦から3年しかたっていない1948年に東京でロケされた初めてのハリウッド映画がハンフリーボカート主演の「東京ジョー」であることはこの記事などで書いてきましたが、あれはモノクロでした。

戦後にカラーで最初にロケされた映画は「東京暗黒街・竹の家」でしかもシネスコだと聞きさっそくDVDを買って見てみました。いやー、実に面白かったです!(映像考古学的な意味で)

この映画のクライマックスはなんと今も現存する浅草松屋の屋上を舞台にしてるんです。1955年は昭和30年です。終戦から10年の頃ですからその頃生きている大人は100%みんな戦争の労苦を経験した人。 子どもたちは戦後生まれという状況ですね。

だからデパートの屋上といえば屋上遊園地だったわけです。その状況をそのまま映画のクライマックスに、しかも銃撃戦にしてるというのがこの映画!

子どもたちが遊ぶ屋上遊園地に逃げ込んだ悪者を警官が射殺します。デパートの上と下で銃撃戦もありますが、どこかのんびりしていて盛り上がらないところも最高です!どんなシーンなのか解説しましょう!


どうですか!これが昭和30年の浅草松屋の屋上遊園地の全景です!まさにパラダイス!


隅田川が見渡せます。東武線の鉄橋ですね!


これが凄い!水平回転型の観覧車です!



真ん中には地球儀!日本は赤いです!(右寄りからのツッコミはお断りします)


これが座席!もちろんシートベルトとかありません!


大人が立つと手すりが低いことがわかります。結構危ねぇ!!


しかもこれ斜めに回転するから子どもとかはしゃいだら落ちそうです!今の安全基準なら絶対に作れない遊具といえます。たくましき昭和!素晴らしい!


和服姿の人が多いのも時代を感じさせます。デパートというのはハレの場所だから着物でめかしこんで行く!みたいな気分だったんではないでしょうか?



ものすごい人口密度です!デパート屋上遊園地の最盛期でしょうね!戦争がおわって子どもをやっと安心して育てられる!という時代の空気だったでしょうし。胸熱です。こういう風景は今後の日本で二度と見られないでしょうね。


手前にはミニSLみたいな線路があります。左が水平回転の観覧車で奥にも飛行機みたいな遊具が見えます。当時の子どもにとっては夢の世界だったでしょうね!

 
この子どもの汽車にカメラが乗っている驚くべきショットもあります。たまらん!


エキストラかたまたま撮影時にいた子どもかわかりませんが当時彼らが6才だとしたら今や66才!胸熱です!


こういう貼り紙とかみちゃいますね。フォントも「ら」とか実に味わい深い。


刑事がやってきてあいつはどこへ?とか英語で聞くとちゃんと指差して答えてくれます。この時代に外人がいたらそれだけで目立つので誰でも指差せますね!


明治牛乳の冷蔵庫とかアイスクリーム屋さんのかわいい感じもたまりません!壁にある国旗?かなにかのポスターも気になります。なんだろう?


日本の警官も出てきます。銃撃戦ですからね!


松屋の下でも大騒ぎです!パトカーが丸くてカワイイ!


外人は容赦なく人がいるデパートで拳銃をぶっ放します!くぅ〜!野蛮!


そんな流れ弾が当たってドタッと着物の女性が倒れます。こらこら!


激しい銃撃戦のすえ観覧車でターゲットを射殺。死んだままグルグル回ってます。これが監督の撮りたかったショットに違いない!

この浅草松屋でこのブログ初主宰の飲み会をやります!題して「映像考古学飲み会」です!2015年9月29日の19時から浅草松屋の屋上ビアガーデンに集合!特に参加申し込みとか表明とか必要ありません。この記事を読んで興味が湧いて明日の夜たまたま空いたら浅草松屋の屋上ビアガーデンに来てボクを探してください!(すげぇざっくり)ドタ参加も歓迎!なんとなく6人くらいになる予感はします。21時くらいまではやってると思います。 ボクのtwitterでもリアルタイムに状況つぶやきますね!


では最後に「東京暗黒街・竹の家」!の予告編をどうぞ!